ブロンプトン号四方山話 ブロンプトンという究極の折り畳み自転車 メリットデメリットを検証
緊急事態宣言が再度発令されて益々キャンプに行かれないsolosotocamp管理人のサトシンです。
今回は家ごもりが増えて、同時に体重も増えている管理人が、買って良かった、売却しないで良かった、のブロンプトン事情を書いていきます。
『目次』
ブロンプトンという究極の折り畳み自転車
ブロンプトンの歴史
まずはブロンプトンの歴史を超簡単におさらい。
- 1977年 アンドリュー・リッチー氏により最初の折り畳み機構がデザイン
- 1981年 少量の臨時生産開始
- 1988年 工場での生産開始
- 1995年 イギリス王室から優れた製品と評価される
- 2021年 現在も職人による完全ハンドメイドで世界中にファンをもつ
超ザックリとした歴史ですが、要するにイギリスの自転車で1977年に最初のデザインがされてから、約45年間も主デザインと折り畳み機構を換えずに生産され続けていると言う稀有な自転車です。
また、かの超高級な小径自転車(車体価格が100万円超えもあるです、はい!)アレックスモールトンの産みの親、アレックス・モールトン博士に
「折り畳み自転車は作らないほうがいい。ブロンプトンを超えられはしないから」
と言わしめたほどの折り畳み機構の完成度を誇る自転車です。
モデル(車種)
基本的には単一車種で、ハンドルの形状と走行ギヤの段数の違いしかありません。
ハンドル形状はスポーティーなストレートなS型、ママチャリライクな乗り方が可能なM型。
走行ギヤ数は、2速、3速、2速×3速の6速、の3種類。
上記の組み合わせが基本ですが、カラーバリエーションは豊富で毎年限定色が用意され、またRAWカラー(ローカラー)と言うフレーム等の職人技の溶接痕が見えるようにラッカーだけで仕上げた色なども人気です。
こんな感じ↓↓
また、車体の鋼材は"クロモリ鋼(クロームモリブデン鋼)"と言う現在も競輪用自転車などに使われているスチールで、一般的な自転車用のハイテンション鋼やアルミ素材は使われていません。
ただし、フロントフォークとリヤスイング部分に軽量なチタン合金を使った軽量モデルも存在します。
価格は管理人が購入した2011年と比べると、かなり値上がりしていて
209,000円(税込み)~335,500円(税込み)
と中古の軽自動車が楽々と買える価格となっています・・・。
ブロンプトン輸入元のHPはこちらから
特徴
何と言っても、まともに走れる折り畳み自転車の中では、ダントツに小さく折り畳める機構が素晴らしいです。
まともに走れる折り畳み自転車、と書きましたが、折り畳み自転車は必然的にタイヤが小さい車種が多く、走行性能に不満がある自転車もあるのですが、ブロンプトンは16インチと小さいタイヤながら、約105cmもあるホイールベースが走行安定性に寄与して、折り畳み自転車とは思えないような安定感のある走りが自慢です。
しかし、走行性能も魅力ですが、何よりもその折り畳んだ時の小ささとシルエットが抜群で、それが上記のモールトン博士の言葉にもつながっている、ブロンプトンを超えられない、一番の要素です。
実際に畳んだ時の寸法は
- 長さ 約60cm
- 高さ 約60cm
- 幅 約35cm
と小型のスーツケース程度の小ささになりますし、特筆すべきは、この折り畳んだ状態で、ほとんど出っ張る部分がなく、上記の寸法のシルエットの中にキッチリと納まること。
また、畳んだ時に安定して自立することと、多少の距離ならば転がして移動できる小さな車輪を標準装備しているのも特徴です。
こんな感じ↓↓
管理人のブロンプトン号
管理人のブロンプトン号は、2011年製、M型ハンドル、6速仕様、RAWカラーの一般的なモデルですが、マイナーチェンジによるギヤチェンジレバーの形状など多少の違いはありますが、基本的には現在販売されているモデルとほとんど変わりません。
よく「ブロンプトンは故障する箇所がない」と言われます。
管理人は不注意で何回か倒したことがありますが、それでも消耗品のタイヤチューブの破裂による交換が2回あっただけで、故障自体はまったくありません。
もちろん、毎回、乗ったら室内保管のための掃除をする程度のメインテナンスはしていますが、ほとんど手のかからない自転車です。
メリットとデメリット
では、管理人が実際に乗っているブロンプトン号のメリットとデメリットを書いてみましょう。
メリット
- とにかく小さく折り畳める。これは輪行に有利なのはもちろんだが、玄関や室内で保管するのにも圧倒的に有利。自転車は野外保管するとあっという間に錆びるし、盗難の可能性があるので、室内保管が絶対に基本。
- 折り畳み方法が実に簡単。通常は分解する必要が100%ないので、慣れれば30秒もあれば折り畳みや組み立てが完了する。
- 小径車のわりに走行性能が良い。そもそもスピードを出す自転車ではないが、それでも30km/h程度は出る。しかし、景色を見ながらゆったりとポタリングするのが、たぶん正しいブロンプトンの乗り方。
- マッドガード(泥除け)が標準装備されている。折り畳み自転車にかかわらず、スポーツ自転車には付いていないことがほとんどだが、マッドガードがないと水溜まりを踏んだだけでもお尻と背中が泥ハネでぐしょ濡れになる。ポタ散歩で店舗に寄ったり輪行で電車に乗るなどを考えるとマッドガードの有無は大きなアドバンテージ。これは案外と盲点だがとても大切。
- クロモリ鋼の弾力と、リヤタイヤのリヤスイング部にショックダンパーを装備しているので、小径車としては乗り心地が柔らかい。長距離を走るとこの乗り心地の良さで、疲れが少ないと感じる。また、ハンドルはM型のほうがたわんで腕にかかるショックが吸収できるので、より乗り心地がマイルド。
- 例えば乗って行った先でパンクや故障があっても、輪行袋さえ携行していれば、折り畳んで電車やタクシーに乗って帰って来られる。もちろん疲れた時や飲酒してしまった時なども輪行すればOK。
- フロントにバッグを装着できる専用のブロックを装備できるので、荷物をフロント部分に載せられるのは本当に便利。もちろんこれは前輪の動きには影響しない。専用のフロントバッグも多数あるし、自分好みのバッグを加工して装着することも可能。
デメリット
- 重い。20kg程度のママチャリなどと比べれば軽いが、それでもオリジナルは軽くても10kg~13kg程度はあるので、持ち運ぶにはそれなりに重い。ただし、輪行以外、例えばマンションの廊下を転がして運ぶなどは、標準装備の小さな車輪を利用可能。
- ギヤチェンジの機構と方法が特殊で独特。しかもギア比がクロスしていない(各ギヤ間の連携が悪い)ので、細かいギヤ選択ができない。管理人の6速仕様でも重いギヤはかなり重いし、軽いギヤは相当に軽いので、平地ではほぼ中間の2~3速しか使わない。脚力にギヤを合わせて走ると言うよりも、ギヤに脚力とスピードを合わせる感じ。
- 上記ギヤもだが、一般的なスポーツ車と違い、ほぼすべてのパーツがシマノ製などのパーツとの互換性がまったくないので、好みに合わせて改良したいと思ってもけっこう難しい。もちろん金に糸目を付けなければ、軽量化も含めて可能だが、それなりの覚悟が必要。
- ブレーキの剛性が多少弱い気がする。もちろんロードバイクのようなスピードでは走らないので、多少剛性が弱くても止まれるが、長い坂道を下るなど、強く握らないといけない場面では、ちょっと疲れる。しかもこれも換装するのは困難。
- 価格が高い。しかし、これは日本のママチャリ(多くは中国製)の価格が安すぎるので、ブロンプトン自体は本国イギリスでも日本の価格と大差なし。むしろ車体の耐久性が高いし、モデルチェンジをしないので常に部品の確保や修理が可能。大切に乗れば一生乗れると思うので、ブロンプトンに乗ることで得られる満足感を考えると、高い買い物とは言えない(と思う)。
まとめ
デメリットもありますが、それよりもメリットのほうが、圧倒的に優位です。
何よりもポタリングのスピードにはジャストフィットする乗り味と、折り畳み機構の優秀さによる輪行や保管が簡単なこと。
ブロンプトンとならば、どこへでも行かれそう、旅をしたいと夢が広がります。
例えば、京都にブロンプトを持って行ってポタポタと散策したら、最高でしょう?!。
これだけでも、ブロンプトンに乗る価値はあります、絶対に。
あとがき
管理人は過去にはロードバイクと他の小径車にも乗っていましたが、ドロップハンドルの前傾姿勢が辛くなったこともあり、気楽な姿勢で乗れるブロンプトン号を購入しました。
購入当初はロードバイクと比べれば重いし、走らないしで、それほど距離も乗らず、また、ここ4年間はまったく乗らずに部屋のオブジェと化していました。
その間、3台も部屋に置いておけないので、ロードバイクと小径車は涙を呑んで手放してしまい、オブジェ化しているブロプトン号も売却して楽な電動自転車(一応スポーツタイプ)に買い替えようか、けっこう悩んだ時期もあったのですが、よくよく考えてみれば、楽をするために自転車乗っているのではなく、気に入った自転車で走るのが楽しいから乗っているので、電動自転車への買い替えは必要ないだろうと、ブロンプトン号の売却を思い止まりました。
そして、自転車ポタ散歩を再開した現在、本当にブロンプトン号を売却しなくて良かったと思っています。
運動不足の今日この頃、もちろん徒歩散歩でもそれなりの距離を歩けば、それなりの運動にはなりますが、やはり自転車に乗ると脚力だけではなく、バランスを維持するための体幹を保持する腹筋や背筋、また走力を出すための腕の引きつけや、ブレーキを握る握力など、ある意味全身運動になることを再認識しました。
これはかかりつけの接骨院の元競輪選手の院長が、施術していても管理人の身体の筋肉のほぐれ具合が変わってきていると、お墨付きをくれたことでも証明されています。
このコロナ禍でキャンプにも旅行にも行かれない中、気分転換や体力維持のためにも、買って良かったブロンプトン、売らずに良かったブロンプトン、と言うところで今回のあとがきとなりました。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。